ネットフリマや引越しなど、身の回りにいつもあるダンボール。
家庭の中ででるゴミとしては大きくかさばり、できれば早く処分してしまいたいものです。
いざ処分しようとすると「古紙回収にまわしましょう」「ダンボールはリサイクル」など処分方法が指定されており、面倒に感じたことはあると思います。
今回は、なぜダンボールの処分方法は決まっているのかや、処分の方法、その際に気をつけるべき点をご紹介します。
ダンボールはリサイクルの王者!?
まず知っておいてほしいのは、ダンボール自体は100%リサイクルすることができる素材でできています。
紙でできているため、溶かし、再び紙に戻して加工することで、ダンボールは何度でも生まれ変わることができます。他のゴミと比較すると、この点が最大の特徴であり、処分方法が指定されている理由でもあります。
国内では、このリサイクルシステムにより、95%以上のダンボールがリサイクルされている事が知られています。
ペットボトルのリサイクル率は86.9%(2022年)、ガラス瓶のリサイクル率は70%以上(2020年)と比べると、高い水準を維持しており、これもひとえに、きちんとリサイクルにまわしてくださる、みなさまのご協力の結晶とも言えますね!
「燃えるゴミ」で出せないの?
紙でできてるなら、燃えるよね?っと思う方も多いはず。
結論から言うと、燃えるゴミで出せます。
それでも、先程述べたように、燃やして灰にする前に、もう一度リサイクルに回しているほうが、CO2排出削減、資源の削減に繋がりますので、燃やすゴミに出す前に一度検討してみてください。
※ただし、ダンボールのような可燃物があることで焼却炉の燃焼効率が上がるというデータもあるため、燃えるゴミとして混ざっていたほうがいい、という意見もありますが、他のゴミにはなかなか見ることができない「100%リサイクル可能」という特徴を活かした記事となっておりますので、その点はご了承ください。
ダンボールはいつ処分するのがベスト?
自治体によるダンボールの回収は、週1回程度行われているのが一般的です。
その時に出して回収してもらいましょう!
また、地域の子ども会や、社会福祉法人などが集めている場合もあり、そうしたところは活動の資金源にするために回収をしています。
寄付も兼ねて、そういうところに集めてもらうのもいいかもしれません。
この2つは、いずれも「回収日」が決まっています。
もっと早く、好きなタイミングで出したい!
という場合は、エコステーションへ持ち込んでください。
最近は設置してあるところが増えていますので、近所のエコステーションをチェックしておくと便利です。
ダンボールはどうやって回収してもらうのがベスト?
ダンボールはテープを剥がしたり、分解することで、平らにすることができます。
この状態にして、紐などでまとめ、一人で運べるくらいの分量にしておくのがベストといえます。
こうすると、回収する人も困りません。
量が沢山でる方は、大きめの箱をそのままにしておき、その中に平らにしたダンボールを詰めていく、という方法もあります。
ぎっしり詰まったら、平らにしたダンボールが飛び出さないようにしたり、箱が壊れないように紐でくくれば完成です。
リサイクルできないダンボールもあるのでご注意!
【汚れたダンボール】はリサイクルができません。
例えば、、、
- 絵の具で塗ったダンボール
- 油がたっぷり染み込んだダンボール
- 表面にビニールや、泊(※)が貼ってあるダンボール
※ 例えば、金色の文字や、裏側のアルミの部分の事
などです。
こうしたダンボールは、リサイクルする際には品質の低下や汚れの原因となるため、「燃えるゴミ」で出しましょう。
あの「大きなホッチキス」は取るの?取らないの?
これはよく聞かれるのですが「取らなくていい」です。
リサイクルする工程で、こうした大きな金属は取り除く機械が導入されているため、取らなくても大丈夫です。
ペンチなどで頑張って取ろうとして怪我をする危険があるくらいなら、そのまま回収に出しましょう!
ただし、保管時や運ぶ時に、飛び出していたりして危ないようでしたら、リサイクルのため、というよりは安全のために取り除いてください。
ダメ!絶対!不法投棄!
これは言われなくてもわかると思います。
いくらダンボールがかさばるからといって、リサイクルにも、燃えるゴミにも出さず、道端や山に捨てることは「不法投棄」にあたり、法律違反になります。
法律では「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の刑に処する」という罰則が定められています。
ダンボールで人生を台無しにするようなことだけはやめておいてくださいね。
処分したいダンボールが大量に出てきたときは?
引っ越しなどで一度に大量に出る場合は、引越し業者が回収をしてくれる場合もあります。
これは各業者により扱いが変わりますので、事前に確認をお願いします。
また、行事やイベントでも大量に出てくる場合もあります。
そんな量を置いておけないし、エコステーションに持っていくと溢れてしまう、、、、
そもそも、そこまで自家用車で運べるような量じゃない。
このような時は、予め古紙回収業者に直接依頼するのがベストです。
量によっては、無料で回収してくれる場合もありますので、一度業者に相談してみてください。
矢野紙器での取り組み
弊社では、毎日大量のダンボールを扱っている関係上、たくさんの不要なダンボールも出てきます。
2周間に1回程度、大型トラックに来てもらい、1~2tほどのダンボールを回収し、リサイクルに回しています。
また、小さい、不定形に切れたダンボールは、子どもたちの工作の材料として提供したりすることで、無駄に廃棄するようなことはしていません。
ダンボールで育むSDGs
これまで、具体的な生活に直結することを解説してきましたが、少し大きな視点で見ても、ダンボールをリサイクルに回す、という行為は、いろんな場面で貢献することができます。
例えば最近、SDGsという言葉をよく聞くと思います。
Sustainable Development Goals の略で、日本語に直すと「持続可能な開発目標」と訳されます。17の分野に分かれており、世界中の人が目指す目標とされています。
その中でダンボールでできるものは、次の3つが該当すると考えています。
12番【つくる責任、つかう責任】
このゴールは、持続可能な生産と消費の形態を確保する仕組み作りを目指すものです。
つくる際には、有害な化学物質を使わない段ボールは、つかった後も95%以上はリサイクルされる仕組みができているため、このゴールに貢献できると考えています。
14番【海の豊かさを守ろう】
海の資源を守り、大切に使うことを目指すものです。
マイクロプラスチックといったプラスチックゴミの海洋汚染が問題になっています。
「脱プラ」という様に、プラスチックの代わりにダンボールや紙製品に置き換わることで、こうした問題の解決に貢献できます。
15番「陸の豊かさも守ろう」
森林などの陸域生態系をはじめとした陸の豊かさを守り、多様な生物が生きられる環境を守るゴールです。リサイクルし続けることで、新たな木の伐採を行う量を減らすことで貢献することができます。
今この瞬間も、荷物を運ぶために全国を駆け巡っているダンボールですが、使われた後も、その95%以上がみなさんの力で、再びダンボールとして活躍することができています。
家庭で普段、なにげなくリサイクルに出していただいたその先に、地球規模の課題解決に貢献している、と思うと、少し大げさかもしれませんが、確実につながっている事実です。
そんなところに、少し思いを馳せていただければ、リサイクルをする意味も増してくるのではないでしょうか。