展示ブースは伝わることが大切! アイデアの事例を紹介

多くの参加企業が一堂に会するイベント展示は、ブース作りが集客力を左右します。

単純に目立たせるだけではなく、主張が伝わるブース作りを心がけましょう。

この記事では、展示ブース作りのコツとともに、いくつかの事例を紹介します。

集客できる展示ブースの作り方

展示ブースを作るときは、集客できる構造やデザインを意識することが大切です。

基本テクニックとして、押さえておきたいポイントは次の5つがあげられます。

遠方でも気付いてもらえる

展示会のように多くの企業が参加するイベントでは、競合も同じように目立つブース作りを意識しています。

周囲に埋もれないように、遠方からでも気付いてもらえるようなインパクトのあるブースを作りましょう。

ただし、情報が多すぎるとかえって目立ちにくくなり、周囲と見分けがつきにくくなるので注意が必要です。

大々的にブランドや商品名のロゴのみを飾るなど、最小限の文字数でもインパクトが残るデザインが大切です。

伝えたいことが一目で分かる

積極的に「見に行こう」と予定しているブースでなければ、来場者の多くは歩きながら各ブースを流し見している程度で、必ずしも立ち寄るとは限りません。

会場を歩いている来場者が「あれは何だろう」と足を立ち止まらせるような、キャッチーなブース作りが大切です。

興味を引くには、流し見でも伝えたいことが分かるようなデザインがおすすめです。

看板やのぼりがシンプルなことはもちろん、高さを出す、全体的に明るいブースにするなどの手法も効果が期待できます。

照明の数や色を変える方法も、目立たせ方として手軽かつ効果的です。

ただし、主催者によっては明るさなどにルールが設けられているので、明るすぎる照明を使うときは注意しましょう。

ブースの立地に合わせたデザイン

会場内のどこにスペースが割り振られるかで、最適なブースのデザインは異なります。

ブースは360度すべてが開放されているか、もしくは壁や他社ブースなどと横や背後が隣接しているかの2タイプです。

360度すべてが開放された独立タイプのブースは、来場者がどこからでも入れるような設計が適しています。

壁を可能な限り失くして、どの方向からでも気軽に入ってもらえるデザインにしましょう。

横や背後がふさがっているブースの場合、来場者は前方から入ってくるのが基本です。

開放面が一面しかないので、奥行きのあるブースだと内部まで見渡しにくく、来場者にも「入りにくい」と敬遠されます。

ブースの立地は申し込み時点で選べるケースが多いので、参加予定の展示会には早めに申し込んで良い場所を確保することが成功のコツです。

想定していた位置を確保できなかった場合は、ブースの立地に合わせたデザインで少しでも開放感、立ちよりやすさを出します。

集まりやすく立ち止まりやすい空間

展示会来場者の多くが、ひとつのブースに長く留まりたくない(担当者につかまれたくない)と思っています。

間口を広めにとったブースで、誰でも気軽に入りやすい空間を作る必要があります。

人がブース内に多く入っていることが分かったり、誰かが説明を受けている様子が見えたりするブースはほかの来場者もつられて入りやすく、集客につながります。

注意点は、一か所で担当者が待ち構えるような人員配置は避けることです。

たとえば入口のみにモニターを置いて傍に担当者が立っていると、ブース内には足を踏み入れにくくなります。

担当者に意図がなくとも、来場者に「入口で担当者につかまるのでは」と警戒させるおそれがあるためです。

ブースの四隅にモニターや試供品を置いて、それぞれの場所で担当者が説明するなど、入口や人を分散させると「待ち構えている」感を軽減できます。

四隅の配置に限らず、一か所に人が集まらないようにすることがポイントです。

世界観に合った配色

商品、ブランド、メーカーなどの世界観に合った配色を意識することも集客力を上げるコツです。

シンプルなブースでも、色で視覚的に訴えればブランディング効果につながります。

具体的な色が思いつかないときは、売りたい商品のパッケージを参考にしたり、一般的なイメージに沿ったりすると絞り込みやすくなります。

一般的には、食品系なら暖色系、医療系なら寒色系と業種ごとに色のイメージが存在します。

配色の注意点は、複数の色を使いすぎないことです。

コーポレートカラーが複数色ある場合など、多く取り入れなければならない場合も、3色程度までに抑えましょう。

ブース内の色数が少ないほうが、シンプルで主張を伝えやすくなります。

インパクトのある展示ブース事例集

空間の使い方次第で、小規模や壁のある配置でもインパクトのある展示ブースが完成します。

ここからは、個性的な展示ブースの事例を5つ紹介します。

1.ルイヴィトンのポップアップイベント展示

(出典:hypebae「The Louis Vuitton x Grace Coddington Pop-Up Is a Cat-Lover's Heaven」)

ルイヴィトンが2019年2月に開催した、猫モチーフの商品のみを展示するポップアップイベントの事例です。

世界的に有名なファッション誌VOGUEの元クリエイティブ・ディレクターとタッグを組み、本人の愛猫をテーマとしたコレクションを発表しました。

ブース内はブランドのシグネチャーを壁・床・商品・什器のすべてに施しており、ルイヴィトンのイベントであることが一目で分かるデザインに仕上がっています。

ブース最大の特徴は、入口やウィンドウに設置された巨大な猫のオブジェとアーチです。

来場者は、立体的に作られたポップなカラーの猫のアーチをくぐって、ブランド独自の世界へダイブする設計となっています。

巨大なアーチはバルーン製のため軽量仕様となっており、イベント後は手軽に撤収できるのも特徴的です。

また、店内の什器(展示台・レジ台)もすべてオリジナルデザインで製作されています。

手描きのトランク風にデザインされた展示台は、オレンジ・ピンク・白の3色のみで統一感を演出しつつ、猫モチーフと相性の良いポップな雰囲気です。

展示台用の箱のサイズにあえてバラつきを出すことで、空間に動きを出しています。

2.YouTuber【黄阿瑪的後宮生活】のイベント展示

(出典:timable「黃阿瑪夢「箱」世界 @MCP新都城中心」)

台湾発の猫ライブYouTuber【黄阿瑪的後宮生活(アマ・ウォンのハーレム・ライフ)】を中心に、香港の猫アニメと中国の観光地がコラボしたイベント展示です。

2019年7月開催イベントの会場となったのは、香港の東部、寶琳駅周辺の人気ショッピングモールMCP新都城中心(MCP Central)です。

「FUMEANCATS」の名でも知られている台湾の猫ライブYouTuberの人気キャラクターたちと、同じ目線を体験するスタイルとなっています。

会場では巨大な猫たちのオブジェ、キャットハウスをイメージした展示などの中で、来場者が自由に写真を撮ったり探検したりできます。

イベント最大の特徴は、大型什器やオブジェのほとんどをダンボール素材で製作していることです。

たとえば大人が2人並んで座れるほど巨大な三日月のオブジェは、ダンボールを何枚も重ねて製作されています。

巨大なキャットハウス内に点在する家具や、ハウスそのものも、よく見るとダンボール製であることが分かります。

紙の特性を研究しつくした開発者の構造設計によって、人が座ったり乗ったりできる、巨大なダンボールパークが誕生しました。

一部にはアクリルなど他の素材も併用しており、全体的にカラフル&ポップで幅広い年齢層が楽しめる空間に仕上がっています。

3.MIU MIUの新作発表ポップアップストア展示

(出典:miu miu「Miu Nova」)

PRADAのセカンドブランドとして人気を集めるMIU MIUが、2020年に開催した新作スニーカーコレクション「Miu Nova」のポップアップストアの事例です。

同イベントは7月には中国で、8月には韓国で同じデザインでの展示が行われています。

Miu Miuのコアである「真の女性らしさ」と「自由な精神」をテーマとしたブース作りは、ビビッドなカラー使いとLEDによる装飾が印象的です。

メインとなるメタルガゼボ(洋風のあずまや)は柱やカウンターも含めて全体的に丸みを帯びたデザインに仕上げられており、周囲に点在する展示台も円柱または円錐形となっています。

「Miu Nova」ポップアップストア展示の特徴は、フロアマット部分も什器もすべて同色のピンクにまとめていることです。

一色の巨大な什器は、オブジェのような存在感を放っており、遠方から見ても一目で個別のブースであると分かります。

LEDで大々的にロゴを照らすことで、一色のみのブース作りでもブランド名が即座に視界へ飛び込んできます。

カウンターの高さに並べられた製品は、かがんだり座ったりせずとも来場者の目に入りやすいため、自然と注目を集められるメリットがあります。

4.クリスピークリームドーナツのキオスク

(出典:CARTS「Food and Coffee Kiosk / Inline」)

人気ドーナツ店の、駅構内を中心とした小規模店舗用のブースです。

ブランドを象徴する、テイクアウト用ボックスのデザインをモチーフにしているのが特徴です。

ボックスを開けたら、中から色とりどりのドーナツが並ぶショーケースが飛び出しているようなデザインに仕上がっています。

人の目線よりも低めのパーテーションで四方を囲むことで、しっかりとバックヤード用のスペースも確保しています。

什器も全体的に低いため、奥行きまで見えやすく、オープンな印象を与えているのがポイントです。

ショーケース前方はボックスのフタをイメージさせる斜めで固定されたフレームが特徴的で、遠方からでも見つけてもらいやすくなっています。

フレーム上部に看板を設置できるため、天井からの吊り下げ展示ができない会場でもしっかりとブランドロゴを主張できるメリットもあります。

5.GARNIERの展示会用ブース

(出典:behance「GARNIER MCLR Booth」)

アメリカで人気のナチュラルスキンケア用品のブランドによる、海外イベント用展示ブースの事例です。

最大の特徴は、とにかく1種類の商品のみを面で展示していることです。

ブースの主はグローバルな商品展開が特徴のメーカーで、シリーズのラインナップは豊富です。

イベント時はあえて1種類のみを展示することで、効果的な認知度拡大につなげています。

ブースは商品と同系色のパネルでまとめ、カウンター横には巨大な商品のオブジェも展示しており、キャッチーなデザインです。

カウンターでは実際に商品を試せるようになっており、興味をもってくれた顧客をしっかりと獲得していけるブース設計がなされています。

死角となりやすいバックパネル裏にも、商品とイメージキャラクターが大々的に印刷されたパネルを取り付けることで、漏れなくPRできます。

展示ブースは矢野紙器株式会社のダンボール什器にお任せください

インパクトのある展示ブースを作るには、壁の形状や色、照明もこまかく計算したデザインを考える必要があります。

しかし一般的なブースキットは木材などで製作されているため、重量があるうえプロによる組み立てが必要です。

製作費はもちろん、設営や撤収にかかる費用も大きくなります。

予算を少しでも抑えたいが、個性的なデザインの展示ブースは諦めたくない、木工ブースなみのインパクトがほしいという方におすすめなのが、ダンボール什器の活用です。

ダンボール什器とは、強化ダンボールを素材とした什器のことです。

商品の展示台や陳列棚はもちろん、商談用のカウンターやデスク、椅子も強化ダンボールで製作できます。

矢野紙器株式会社は、強化ダンボールを使用した家具や遊具作りの実績が豊富な会社です。

巨大オブジェや迷路、遊具などで作るダンボールパークは、幼稚園や商業施設で好評を得ています。

家具や遊具には強化ダンボールを使用しているので、人が乗ったり座ったりしても問題ありません。

ダンボール製なので、木工ブースに比べるとはるかに軽量なのも特徴です。

展示ブース用のパーテーションや什器、商品やイメージキャラクターの巨大オブジェなども強化ダンボールで製作できます。

軽量かつ設計次第で分割・組み立てにも対応できるので、外部サービスを利用しない少人数での搬入・設営・撤収にもおすすめです。

事例で紹介した香港の巨大なダンボールオブジェ(三日月やキャットハウス、家具)のような特殊な形状・デザインも製作可能です。

矢野紙器株式会社は小ロットでオリジナルデザインのものを製作できるので、幅広いお客様のご要望に対応できる強みもあります。

まずは「こんな展示ブースを作りたい」など、ご相談だけでもお気軽にご連絡ください。

まとめ

集客につながる展示ブースを作るためには、色や大きさのインパクトのみならず、伝わりやすいデザイン・配置を考慮することも大切です。

矢野紙器株式会社では、強化ダンボールを使用したオリジナルデザインの什器や看板を作成できます。

UVインクジェット印刷でフルカラーに仕上げたり、アクリルなどほかの素材と合わせて高級感を演出したりすることもできます。

まずは「こんなデザイン、ダンボールで作れる?」といったご相談から、お気軽にお問い合わせください。